ポテトフライの極意 二度揚げでカリホク、粉使いと味付けで失敗ゼロ

「家で揚げるとベチャっとする」「二度揚げの温度が不安」「のり塩やガーリックも上手く絡まない」——そんな悩みを、今日で終わらせます。生じゃがいもは切って水にさらすだけでなく、表面水分をしっかり乾かすと油ハネと吸油が減り、仕上がりが一気に変わります。さらに太さ別の時間管理で失敗を防ぎます。

本記事では、男爵(ホクホク)とメークイン(しっとり)の特性を前提に、くし形・細切りごとの目安(例:細切り5〜7mmは中温で約4〜6分、くし形は低温で約6〜8分+高温仕上げ約1〜2分)を提示。二度揚げの理屈や、フライパン少油調理、オーブン・ノンフライヤーの温度帯まで網羅します。

衣は片栗粉のみで軽く、または小麦粉:片栗粉=1:1で香ばしさと軽さの両立。米粉・コーンスターチの代替も扱い、のり塩やコンソメは「揚げた直後」に密着させます。冷凍ポテトの霜対策や、駄菓子系の再現も解説。ご家庭の熱源でも、再現性高くカリカリを実現できる手順を、調理テストに基づき厳選しました。まずは、油に入れる前の“乾かし”と、温度の切り替えを徹底しましょう。

  1. 家で作るポテトフライの基本と成功ポイントを最短でつかむ
    1. 生じゃがいもで作るポテトフライの下処理を科学的に解説
      1. 男爵とメークインの選び方で変わる食感
      2. くし形や細切りなどのカットで仕上がりがどう変わるか
    2. 素揚げと二度揚げのどちらでカリカリになるかを比較
  2. フライパンと少ない油で作る揚げないに近いポテトフライのコツ
    1. フライパンで油少なめに仕上げる温度と時間の目安
  3. カリカリ食感を最大化する片栗粉や薄力粉の使い分け
    1. 片栗粉だけで作る軽い衣と油のにじみ対策
      1. 小麦粉と片栗粉を混ぜるときの黄金比
    2. 小麦粉なしでグルテンフリーに仕上げる選択肢
  4. のり塩やガーリックバターなど味付けとディップで無限に楽しむ
    1. 基本の塩とコンソメで間違いないポテトフライ
      1. ガーリックバターで香りを立たせる温度帯
    2. のり塩やスパイスでおつまみに格上げ
  5. オーブンやノンフライヤーで作る軽いポテトフライ
    1. オーブンで外カリ中ホクを実現する温度帯
      1. トースターやノンフライヤーで時短
  6. 冷凍フライドポテトをフライパンでカリカリに焼くテクニック
    1. 冷凍の霜を飛ばす下ごしらえと温度の立ち上げ方
  7. 駄菓子のポテトフライが好きな人に向けた再現アイデア
    1. 駄菓子らしい粉の香りとフライドチキン風の味を作る
      1. 四角い形と薄さで再現度を上げる成形の工夫
  8. 失敗しない油温と時間の管理でカリカリにならない悩みを解決
    1. べちゃつきやくっつきを防ぐ順序と水分対策
      1. 素揚げの温度と時間を太さ別にガイド
  9. フレーバー別に合うじゃがいもと太さとカットの相性マップ
    1. トリュフ塩やハーブに合う細切りの理由
    2. バターや明太子ソースに合うくし形の魅力

家で作るポテトフライの基本と成功ポイントを最短でつかむ

生じゃがいもで作るポテトフライの下処理を科学的に解説

生のじゃがいもをおいしく仕上げる鍵は、水分と表面デンプンのコントロールです。カット後に水にさらすと表面のデンプンが落ち、べちゃつきの原因を減らせるうえ、焦げ付きやすさも軽減できます。浸水は冷水で10分前後、途中で1回水を替えると効果的です。その後はキッチンペーパーでしっかり水気を拭き取り、さらにザル上で空気に当てて乾かします。水分が残ると油ハネと食感劣化につながるため、ここは妥協しないのがコツです。時間がある場合は冷蔵庫で10~15分休ませると内部の余剰水分が落ちて均一に揚がります。電子レンジで軽く下茹で相当の加熱を行う方法も有効で、短時間で芯まで火が通りやすくなります。

  • 水にさらして表面デンプンを落とす

  • 表面の完全乾燥で油ハネとべちゃつきを防ぐ

  • 短時間のレンジ加熱で芯の生を防止

下処理が整うと香りが立ち、後の揚げ工程でカリカリ食感が安定します。

男爵とメークインの選び方で変わる食感

男爵とメークインではデンプン量と組織が異なり、ポテトフライの仕上がりに明確な差が出ます。男爵は粉質で水分が少なく、ホクホクで割れやすい軽い食感が魅力です。空気を含みやすい構造のため外はカリッと、中はふわっと仕上がります。メークインは粘質で煮崩れしにくく、しっとりして折れにくいため細切りフライや長めのスティックに向きます。大ぶりのくし形で男爵の香りを楽しむか、スリムカットでメークインのカリカリ感を伸ばすかで使い分けると狙い通りの食感になります。家庭では用途に応じて両方を試し、好みに合わせて選ぶと再現性が高まります。

品種 食感の特徴 向くカット 加熱のコツ
男爵 ホクホクで軽い くし形・中太 低温でゆっくり火入れ
メークイン しっとりで崩れにくい 細切り・極細 仕上げ高温で短時間
新じゃが 皮が薄く甘みあり 皮付き中細 水分飛ばしを丁寧に

品種特性を生かすと塩だけでも満足度が上がります。

くし形や細切りなどのカットで仕上がりがどう変わるか

カットの厚みは火通りと食感を左右します。くし形は外カリ中ホクを出しやすく、厚み15~18mmで油温160℃の下火入れ5~6分が目安です。細切りは幅6~8mmで160℃を3~4分、極細なら幅4~5mmで160℃を2~3分とし、いずれも仕上げに高温で短く色づけます。均一な太さにそろえると色ムラと半生リスクを回避できます。皮付きは香りと食物繊維が増し、見た目も良いので家庭向きです。カット後は角を落とす面取りを軽く行うと欠けが減り、揚げ油も汚れにくくなります。厚いほどホクホク、細いほどカリカリになりやすいので、食べたいイメージから逆算して厚みと時間を調整しましょう。

素揚げと二度揚げのどちらでカリカリになるかを比較

素揚げは工程が少なく扱いやすいのが強みです。160~170℃で中心までゆっくり火を通し、最後に180℃近くで色づければ十分おいしく仕上がります。対して二度揚げは低温で内部を完全に火入れし、水分を抜いてから高温で表面を一気に脱水するため、カリカリ持続性が高いのが利点です。実務の目安は、低温160℃で太めは5~6分、細めは2~4分、取り出して3~5分休ませて余熱で安定させ、仕上げは180℃で40~90秒ほどで色と香りを決めます。素揚げは短時間で油の劣化も抑えやすく、量を作るなら二度揚げが再加熱でも食感が戻りやすいです。家庭では冷めてもカリッとさせたいなら二度揚げ、揚げたてをすぐ食べるなら手軽な素揚げが向いています。

  1. 低温で芯まで火入れして水分を抜く
  2. 休ませて余熱で内部を安定化
  3. 高温で短時間に表面を脱水し色づけ

手順を分けるほど失敗が減り、風味のノリも良くなります。

フライパンと少ない油で作る揚げないに近いポテトフライのコツ

フライパンで油少なめに仕上げる温度と時間の目安

フライパンで油を少量だけ使い、揚げないに近い方法でポテトフライを作るコツは、温度と水分コントロールにあります。予熱は中火でしっかり行い、フライパン全体が温まったら薄く油をひき、カットしたじゃがいもを並べます。ここからは中火から弱めをキープし、片面にしっかり焼き色が付くまで触らずに加熱するのがポイントです。返す回数を減らすことで表面のデンプンが固まり、カリカリ食感が出ます。目安は片面4〜6分、もう片面3〜5分で、厚みや品種により前後します。蒸し焼きにしたいとき以外はフタを使わず、水分を飛ばす意識を持つとべちゃつきを防げます。仕上げは強めの中火で30〜60秒だけ温度を上げ、余分な水分を抜いて香ばしさを引き出します。油は総量で大さじ1〜2でも十分で、途中の追い油は薄く回しかける程度にとどめると軽い後味になります。

  • 返す回数は最小限にして表面を乾かす

  • 片面焼き切りでムラを減らす

  • フタは基本使わないで水分を逃がす

下の目安を参考に、火力は焦げない範囲で一定を保つと再現しやすいです。

工程 火力の目安 時間の目安 ねらい
予熱・油まわし 中火 1〜2分 面を均一に温める
片面焼き 中火から弱め 4〜6分 水分を飛ばしカリッと
裏面焼き 中火から弱め 3〜5分 中まで加熱を安定化
仕上げ乾かし 強めの中火 0.5〜1分 香ばしさと食感アップ

仕上げに塩やケチャップを合わせると、おかずやお菓子感覚でも楽しめます。揚げない調理でも人気レシピのコツを押さえれば、油少なめでも満足感のあるフライドポテト風の一皿になります。

カリカリ食感を最大化する片栗粉や薄力粉の使い分け

片栗粉だけで作る軽い衣と油のにじみ対策

片栗粉だけの衣は小麦のたんぱく質を含まないため、グルテン由来の重さが出にくく、ポテトフライの軽い食感を引き出します。ポイントはうすくまぶして高温短時間で仕上げることです。水分が残ると粉がダマになりやすいので、切ったじゃがいもは水にさらしてでんぷんを落とし、よく拭き取ります。片栗粉は茶こしでごく薄く振り、余分ははたいて落とします。油温は180〜190度が目安で、表面が色づいたらすぐ取り出し、金網で立てて油を切るとにじみ対策になります。塩は熱いうちに振ると絡みが良く、ケチャップやコンソメパウダーのアレンジも合います。片栗粉の量が多いと吸油が増えてべたつくため、粉は“見えるか見えないか”程度がベストです。

  • 薄衣が命:茶こしで薄く、余分は必ず落とす

  • 高温短時間:180〜190度で色づき次第引き上げる

  • 水分ゼロ発想:さらしと拭き取りでべたつきを防止

小麦粉と片栗粉を混ぜるときの黄金比

小麦粉と片栗粉を混ぜると、香ばしさと軽さの両立がしやすくなります。狙いの食感に合わせて黄金比を選ぶのが近道です。香ばしさを高めたいなら小麦粉多め、軽いザクッと感を重視するなら片栗粉多めにします。じゃがいもの水分量や厚みでも最適比は変わるため、同じ油温でも仕上がりがブレにくい配合を把握しておくと安定します。粉を混ぜる際は塩をごく少量加えると下味が均一になり、焦げ色もきれいです。オーブン調理でもこの配合は有効で、薄く油をまぶしてから粉を振るとムラが出にくくなります。以下の目安を起点に、ポテトフライの太さや油温に合わせて微調整してください。

狙いの食感 小麦粉の割合 片栗粉の割合 仕上がりの特徴
香ばしさ重視 7 3 こんがり色づきやすく、噛みごたえが出る
バランス型 5 5 外カリ中ホクの標準的な食感
軽さ重視 3 7 衣が薄く軽く、油っぽさを抑えやすい

小麦粉なしでグルテンフリーに仕上げる選択肢

小麦粉を使わずにグルテンフリーで仕上げるなら、米粉コーンスターチが頼れます。米粉は粒子が細かく油なじみが良いので、オーブンやフライパン少油調理でもサクほろに。コーンスターチは水分を素早く飛ばし、パリッとした薄膜を作るのが得意です。吸油を抑えるなら、じゃがいもを下茹でまたは電子レンジで加熱し、水分を飛ばしてから粉を薄くまぶします。オーブンは220度で予熱し、油を薄く絡めて15〜25分焼くと均一に色づきます。フライパンなら油を5ミリほど敷き、片面ずつ動かさず焼いてから返すと粉がはがれにくいです。ポテトフライの風味付けは、塩に加えて黒こしょうガーリックパウダーが相性抜群です。

  1. 下処理で水分を飛ばす
  2. 米粉またはコーンスターチを薄くまぶす
  3. 少油またはオーブンで高温調理
  4. 熱いうちに味付けして香りを立てる

のり塩やガーリックバターなど味付けとディップで無限に楽しむ

基本の塩とコンソメで間違いないポテトフライ

揚げたてのポテトフライは、味付けのタイミングが命です。ポイントは揚げ上がり直後に塩や粉末コンソメを振り、表面の油に調味を密着させること。油が薄くコーティングしているうちに絡めると、ムラなく均一に味が入ります。塩は粒度の異なるものを使い分けると風味が変わり、食卓の満足度が上がります。粗塩は噛むほどにうまみが広がり、食卓塩は全体をシャープに締めます。粉末コンソメは小さじ1/2を目安に、熱いうちに振って鍋ごと大きくあおぐと均一です。好みで白こしょうをひとふりすれば香りが立ち、ケチャップやマヨネーズとも相性抜群です。

  • 揚げ上がり直後に調味をする

  • 塩は粒度で使い分ける

  • 粉末コンソメは小さじ1/2を目安

  • 鍋ごとあおいで均一に絡める

ガーリックバターで香りを立たせる温度帯

ガーリックバターは香りの立ち上がりが決め手です。溶け始めの温度帯を意識し、余熱でやさしく絡めると焦がさずに風味だけをのせられます。手順のコツはシンプルで、揚げ上がりのポテトフライを金ざるに上げて油を切り、ボウルへ移したらすぐにバターを加えます。目安は200gに対して無塩バター10〜12g、にんにくはすりおろし少々。ポテトの表面温度は約90度で、ここが余熱で溶かすベストゾーンです。直接火にかけず、ボウルの余熱だけで溶かし絡めると、にんにくは香りが立ちつつ辛味は出にくくなります。最後に塩をひとつまみで味を締め、黒こしょうで香りの層を作ると満足感が上がります。

要素 目安 目的
バター量 200gに10〜12g コクを均一に付与
にんにく 少々 香りづけを優先
温度帯 余熱約90度 焦がさず溶かす
仕上げ塩 ひとつまみ 味の輪郭

のり塩やスパイスでおつまみに格上げ

のり塩やスパイスは粒度とタイミングが鍵です。青のりやチリパウダーは細かいほど表面の油に密着し、味の散りを防ぎます。振るのは揚げ上がり直後、油が薄く残る瞬間がベストで、香りを逃さずまとわせられます。おつまみ向けにするなら、塩分を控えめにして香りの厚みで満足度を上げる設計が有効です。たとえば青のり小さじ1/2、塩ひとつまみ、ガーリックパウダー少々で海藻のうまみと香りを引き出します。スパイシーにする場合はチリパウダーやクミン、パプリカを同量でブレンドし、粉は細かく、量は控えめ、熱いうちにを徹底すると失敗しません。ビールやハイボールのお供に最適で、ケチャップやスイートチリのディップとも好相性です。

  1. 揚げ上がり直後にボウルへ移す
  2. 細かい粉末の調味を素早く振る
  3. 大きくあおいで全体に均一化
  4. 塩分は控えめ、香りで調整
  5. ディップでコントラストを加える

オーブンやノンフライヤーで作る軽いポテトフライ

オーブンで外カリ中ホクを実現する温度帯

オーブンで軽い食べ心地のポテトフライを作るコツは、油を最小限にして高温で短時間焼くことです。じゃがいもは棒状に切り、水で洗って表面のデンプンを落とし、よく拭き取ります。オーブンはしっかり予熱し、天板にクッキングシートを敷いてじゃがいもを重ならないように並べます。オイルは大さじ1程度を全体に薄く絡め、塩で下味をつけます。ポイントは温度帯の使い分けで、最初は強火設定で表面を乾かし、中盤で一度返して焼きムラを抑えることです。最後は短時間の高温で仕上げると、外はカリッと中はホクホクに整います。ケチャップや塩、コンソメなどのアレンジも相性がよく、人気のレシピでも採用される手法です。

  • 予熱した高温で短時間焼き、途中で裏返して焼きムラを抑える

トースターやノンフライヤーで時短

トースターやノンフライヤーは短時間でカリッとしたポテトフライに仕上がるのが魅力です。小型機器は熱量が集中しやすいため、必ず予熱してからスタートします。カゴやバスケットに入れる量は七分目までにとどめ、余白を確保して熱風の通り道を作ることが重要です。油はスプレーで薄くまとわせる程度で十分で、途中で一度揺すって全体を均一にすると焦げやすい端もきれいに色づきます。片栗粉をうっすらまぶすと表面がよりカリカリになり、素揚げ風の満足感が出ます。冷凍フライドポテトを使う場合は霜を落としてから調理するとべちゃつき防止につながります。短時間でも火通りよく仕上がるため、お菓子感覚の軽い一皿としても活躍します。

  • 予熱とバスケットの余白確保で水分を飛ばし、途中で揺すって均一にする

冷凍フライドポテトをフライパンでカリカリに焼くテクニック

冷凍の霜を飛ばす下ごしらえと温度の立ち上げ方

冷凍フライドポテトをフライパンでカリカリに仕上げる鍵は、最初の水分対策と油温の立ち上げです。袋から出したら重ならないように広げ、表面の霜をキッチンペーパーでしっかり拭き取ると、はねやべちゃつきを抑えられます。フライパンに薄く油をひき、中弱火で1~2分ほど温めてからポテトを入れ、入れた直後は触らず水蒸気を逃がしながら焼き付けることがポイントです。蓋は使わずに開放し、蒸気をこもらせないことで表面が乾き、のちの焼き色が均一になります。途中で無理に返すと衣がはがれるため、片面が色づくまで待ってから返します。仕上げ近くで中火に上げ、最後に火を強めて短時間でカリッと仕上げると、冷めても食感が続きます。

  • 霜は拭くことで油はねとべちゃつきを予防します

  • 蓋は使わないで水分を逃がし続けます

  • 最初は触らないで焼き付け、返す回数を最小化します

下ごしらえと温度管理を徹底すれば、ポテトフライのように外はカリッと中はホクホクに近づきます。

駄菓子のポテトフライが好きな人に向けた再現アイデア

駄菓子らしい粉の香りとフライドチキン風の味を作る

駄菓子のポテトフライ特有の香りと後を引く味は、パプリカの甘香ばしさガーリックのコクが土台です。パプリカパウダー、ガーリックパウダー、白こしょう、砂糖、食塩を基本にして、少量のオニオンパウダーを足すと駄菓子らしい粉感が際立ちます。ポイントは粉をそのまま振るのではなく、風味油をほんの少しだけ加えて粉になじませることです。粉に薄く油膜ができて均一に絡み、口当たりが粉っぽくなりません。風味油は菜種油などクセのない油に鶏ガラ顆粒をごく少量溶かして作ると、フライドチキン風の旨みが自然に乗ります。揚げないレシピやオーブン調理でも同じ配合が使え、冷めても香りが飛びにくくなります。

  • 粉は細粒タイプを選ぶと舌触りが良くなります

  • 砂糖と塩の比率は約1:2が駄菓子らしい甘じょっぱさの目安

  • 油は粉100gに対して小さじ1弱で重くならず均一にまといます

補足として、子どものお菓子として楽しむ場合はこしょうを控え、パプリカを増やすと優しい風味になります。

四角い形と薄さで再現度を上げる成形の工夫

駄菓子のポテトフライらしさは、薄く四角い形状と軽い歯ざわりにあります。じゃがいもは粉質の男爵を使用し、蒸してから熱いうちに潰し、片栗粉で軽くつなぐのがコツです。水分を飛ばしすぎないようにしっとりを保ち、ラップで挟んで2〜3mmの薄さまで均一に伸ばします。ここで型抜きを使い、角を軽く落とした四角形にすると割れにくく見た目も近づきます。成形後は冷蔵庫で一度休ませ、表面を乾かすと焼きでも揚げでもカリッと軽い食感になります。油は少量で揚げ焼きにし、仕上げに前段の味粉を両面に薄くまとわせると、駄菓子らしい粉の香りが立ちます。

工程 目的 目安
じゃがいもを蒸す 水っぽさを防ぐ 竹串が通るまで
片栗粉を加える 軽い結着でサクサクに じゃがいも100gに小さじ1/2
2〜3mmに伸ばす 駄菓子の薄さを再現 ラップ越しに均一化
冷蔵で休ませる 成形安定と乾燥 20〜30分
揚げ焼きで仕上げ 軽さと香ばしさ 中火で両面色づくまで
  1. じゃがいもを蒸して潰し、塩をひとつまみと片栗粉を加えて混ぜます。
  2. ラップで挟み2〜3mmに伸ばし、型で四角に抜きます。
  3. 冷蔵で休ませ、フライパンで少量の油を温めて両面を色よく揚げ焼きにします。
  4. 温かいうちに味粉をまぶして余分をはたき、乾いたトレイで冷まして香りを落ち着かせます。

薄さと四角い形が決まると、見た目も食感も一気に駄菓子寄りになります。

失敗しない油温と時間の管理でカリカリにならない悩みを解決

べちゃつきやくっつきを防ぐ順序と水分対策

ポテトフライをカリカリに仕上げる近道は、下処理の順番と水分管理です。洗ったじゃがいもは澱粉を流した後にしっかり水切りし、布やキッチンペーパーで表面の水分を丁寧に拭き取ります。ここで甘く見ると油ハネとベチャつきの原因になります。次に空気に触れさせて短時間乾燥させ、薄く片栗粉をまとわせると衣が均一になり、くっつきも予防できます。粉打ち後は時間を置かずに揚げ始めることが重要で、粉が水分を吸ってダマになったり剥がれたりするのを避けられます。油温は安定が命です。投入量を守り、温度が下がり過ぎないように小分けで揚げると失敗しません。人気のオーブンやフライパンで揚げないレシピでも同様に、表面乾燥薄い粉がカリカリの鍵です。

  • しっかり水切りと表面の水分オフで油ハネとベチャつきを予防します

  • 短時間の表面乾燥で粉が均一に密着しやすくなります

  • 粉打ち後はすぐ揚げることでくっつきとダマ化を防ぎます

素揚げの温度と時間を太さ別にガイド

ポテトフライは太さで火通りと食感が変わるため、素揚げの温度と時間を使い分けます。細切りは中心が早く火が入るので中温で短時間が基本です。対してくし形は厚みがあるため、低温でじっくり火入れをしてから高温で仕上げる二段階が理想です。片栗粉を使う場合は厚化粧にしないこと、素揚げ狙いなら油量は芋が泳ぐ程度を確保し、フライパンなら深さを2センチ以上とると均一に揚がります。温度計がない時は菜箸の先から静かに泡が上がる程度を目安にし、投入は一度に入れ過ぎないようにします。英語ではフレンチフライと呼ばれますが、家庭料理としてのフライドポテトは油温管理が最重要です。

太さ・形状 目安温度 目安時間 手順ポイント
細切り(5~7mm) 170~175℃ 3~5分 一気に色づく前に引き上げて余熱で仕上げる
くし形(1/8) 150~160℃→190℃ 6~8分→30~60秒 低温で火入れ後、高温でカリッと二度揚げ
シューズストリング 165~170℃ 2~3分 重ならないよう少量ずつ投入
厚切り(1cm) 160℃→185℃ 7~9分→40~90秒 竹串がスッと通ったら高温仕上げ
  1. じゃがいもをカットして水にさらし、澱粉を落とす
  2. しっかり水切りし、ペーパーで表面を完全に乾かす
  3. 薄く片栗粉をまぶし、設定温度で少量ずつ投入
  4. 途中で触り過ぎず、色づき直前で一旦引き上げ余熱利用
  5. 太いカットは高温で短時間の仕上げ揚げでカリッとさせます

フライパンで油少なめに仕上げる場合も、上記の温度帯と手順の考え方は同じです。オーブン調理では予熱を十分に行い、表面に薄く油を絡めるとカリカリ度が上がります。ポテトフライはレシピの小さな差で結果が大きく変わるため、温度安定投入量のコントロールを意識してください。

フレーバー別に合うじゃがいもと太さとカットの相性マップ

トリュフ塩やハーブに合う細切りの理由

トリュフ塩やハーブ系の香りは軽やかに広がるため、表面積が広い細切りカットが相性抜群です。スティックを細めにすると油の当たりが均一になり、薄い衣や片栗粉が作る微細なザクッと食感に香りが素早く乗ります。じゃがいもはメークインなどの粘質系が崩れにくく、細切りでも形が保ちやすいのが利点です。オーブンやフライパンで揚げないレシピでもカリカリに仕上がるため、ポテトフライの軽さを活かしたい人に最適です。仕上げは熱いうちに塩をふり、最後にオリーブオイル少量でコーティングすると香りの持続が良くなります。

  • 細切りは表面積が大きく香りが乗りやすい

  • 粘質系のメークインが型崩れしにくい

  • 揚げない調理でもカリカリ食感を出しやすい

下の一覧で、太さと油の温度管理の目安を確認してください。

カット 推奨品種 目安の太さ 食感の狙い 仕上げのコツ
細切りスティック メークイン 6~8mm カリカリ軽快 熱いうちにハーブ+塩
極細シューズ メークイン 4~5mm 超クリスプ 片栗粉を極薄くまぶす
中細スティック どちらも可 8~10mm カリッとほどよい芯 低温→高温の二度加熱

短時間で香りを立たせたいときは、極薄の片栗粉を活用すると香りのキャッチ力が上がります。

バターや明太子ソースに合うくし形の魅力

バターや明太子のようにコクと塩味が主役のソースには、内部の水分を抱えやすいくし形がぴったりです。くし形は断面が厚く、火入れで外はカリッと内はホクホクに仕上がるため、ソースの重厚感と対比が生まれるのが強みです。粉ふき工程で表面をざらつかせるとソースが絡みやすく、ポテトフライの満足度が一気に高まります。男爵いもなどの粉質系は崩れやすい反面、ホロホロとした甘みがバターの香りに負けません。オーブン調理でも内部のしっとり感が保てるので、揚げない派にも相性良好です。

  1. くし形にカットして水にさらし、でんぷんを軽く落とす
  2. 電子レンジまたは下茹でで中心まで予熱を入れる
  3. 表面に片栗粉を薄くまぶし、低温で火入れ→高温で色づけ
  4. 引き上げ直後にバターを絡め、明太子ソースは温度が落ち着いてから
  • 厚みがあるほどソースのコクが引き立つ

  • 粉質系の男爵いもがホクホク感を最大化

お料理コラム