ビーフシチューの鍋は決まっているのに、「もう一品」が決まらないまま時間だけが過ぎる。結果、ポテトやグラタン、フライを並べて茶色だらけ。見た目はそれなり、味も悪くないのに、食後は胃が重くて片付けもつらい。ホームパーティーでも、チーズと揚げ物を増やしただけの“重いテーブル”になり、ワインもデザートも進まない。これらは料理の腕ではなく、献立の設計ロジックが間違っているだけです。
プロの現場では、ビーフシチューのような濃厚メインを出すとき「同じ茶色・同じ油脂の皿を重ねない」「重い料理は2皿まで」「コンロを同時に埋めない」が暗黙の前提になっています。逆に言えば、色・重さ・コンロの3点さえ押さえれば、「ビーフシチューともう一品」で迷う余地はほぼ消えるということです。
この記事は、「ビーフシチューに合うおかず〇選」といったカタログではありません。
あなたが毎回つまずく原因を
- 茶色だらけ献立が損をする構造
- 品数を増やすほど満足度が落ちるメカニズム
- コンロ2口・3口が同時にパンクする段取りミス
といった形で可視化し、それを10分おかずと簡単レシピでどう潰すかまで落とし込みます。
さらに、
- 平日19時に現実的な「ビーフシチュー+10分サラダ」ライン
- ごはん派とパン派で変わる、足してはいけないおかずと代替案
- 子どもが野菜を食べてくれて、翌朝の弁当にも回せるもう一品
- 「LINEで相談が来たらこの順で聞く」という決め方フロー
- 迷ったときに眺めるだけで決まる、目的別テンプレ献立
まで、考える負担ごと削る設計にしています。読む前と読んだ後で、「ビーフシチューともう一品」にかける時間とストレスは、目に見えて変わります。
この記事から得られるものを、ざっくり整理すると次の通りです。
| セクション | 読者が手にする具体的な武器(実利) | 解決される本質的な課題 |
|---|---|---|
| 前半(典型NG〜色・重さ・コンロ〜平日19時〜主食別〜パーティー) | 茶色だらけ・品数過多・コンロパンクを一度で断ち切る判断基準と、「シチュー+10分サラダ」「主食×もう一品」の具体例 | 「何を足せば正解か分からない」「頑張っても胃が重く見た目も冴えない」といった、迷走する献立決めそのもの |
| 後半(子ども家庭〜LINE相談〜即決テンプレ) | 子ども・ダイエット・ホームパーティーなど状況別に、そのまま真似できるフローとテンプレ献立のストック | 毎回ゼロから考える負担と、翌日への響き(体調・弁当準備)を無視した場当たり的な献立決定 |
ビーフシチューは立派なごちそうなのに、もう一品の選び方を誤ると、満足度も体調も時間も目減りします。ここで献立の組み立て方そのものを一度アップデートしておけば、次から「ビーフシチューにもう一品で迷わない献立術」が、あなたの標準装備になります。
この記事を書いた理由 – 水野 卓
ビーフシチューは、店でも家庭でも「今日は頑張った日」の象徴のような料理です。けれど現場では、そこにポテト、グラタン、フライを重ねてテーブルが茶色一色になり、食後スタッフが全員ぐったりした夜を何度も見てきました。味は悪くないのに、満足度が伸びない。原因は腕前ではなく、献立設計のロジックミスでした。
独立前、ビーフシチューを軸にしたコースを組んだとき、前菜にパテとフライドポテト、締めにチーズたっぷりリゾットを出し、お客様から「おいしいけれど途中から重くてワインが進まない」と言われたことがあります。そこから、色と重さ、火口の使い方を基準に組み直したところ、同じ材料でも「最後まで気持ちよく食べられた」という声が増えました。
家庭料理の相談を受けるなかでも、「シチューまでは良かったのに、もう一品で失敗した」「コンロが足りずイライラして家族に当たってしまった」という話をここ数年で30件以上聞いています。忙しい平日19時に、プロと同じ段取りを求めるのは酷です。だからこそ、家のコンロ本数と冷蔵庫の中身から逆算して、「これだけ守れば迷わない」という線を言語化しておきたかった。それがこの記事です。
「ビーフシチューともう一品」で失敗する典型パターンから逆算しよう
平日の19時、「ビーフシチューまでは決まってるのに、あと一品が決まらない…」。ここで勢いだけで足すと、多くの家庭で起きているのが
茶色まみれ・お腹だけパンパン・キッチン大渋滞の三重苦です。
現場で見てきた“やりがち失敗パターン”を先に丸裸にしておくと、そこから逆算して迷わなくなります。
茶色だらけ献立が“なんか残念”になるワケ(ポテト・フライ・グラタンの罠)
ビーフシチューの日に多い組み合わせはこれです。
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ビーフシチュー
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ポテトフライやコロッケ
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マカロニグラタン
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ガーリックトースト
全部おいしいのに、食後に「もう動けない…」となりやすい理由は、茶色=油脂と炭水化物の重ね着になっているからです。
| 料理 | 主な色 | 主な栄養の重なり |
|---|---|---|
| ビーフシチュー | 茶色 | 牛脂・小麦粉・バター |
| ポテトフライ | 茶色 | じゃがいも+揚げ油 |
| グラタン | 茶色 | 小麦粉・チーズ・バター |
| ガーリックトースト | 茶色 | パン+バター・オイル |
茶色が悪いわけではなく、「茶色+茶色+茶色」になると、見た目も味も一本調子になります。
業界の暗黙ルールとして、デミグラス系の濃厚なメインを出すコースでは、必ずどこかに
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酸味のあるもの
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生野菜
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フルーツやマリネ
を挟みます。これを入れないと、満腹なのに満足感が伸びないからです。
家庭でも同じで、ビーフシチューの日こそ「緑か赤の一皿をねじ込む」が鉄則です。
「品数を増やせばごちそう」は危険信号?プロが避ける重すぎコンボ
記念日やパーティーでやりがちなのが、この思考です。
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ごちそう感を出したい
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だから品数を増やす
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つい「主菜級」を足してしまう
具体的には、
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ビーフシチュー+唐揚げ
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ビーフシチュー+チキンソテー
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ビーフシチュー+エビフライ盛り合わせ
このあたりの“主菜×主菜コンボ”が典型的な失敗ラインです。
| パターン | 一見の印象 | 実際に起こりがちなこと |
|---|---|---|
| シチュー+唐揚げ+ポテト | 豪華・映える | 半分残る・翌日も胃が重い |
| シチュー+グラタン+パン | 洋食フルコース感 | 塩分・脂質がオーバー気味 |
| シチュー+チーズ盛り+生ハム | ワインに合いそう | しょっぱさばかり記憶に残る |
外食のメニュー設計では、「重い皿は2つまで」が目安になっていることが多いです。
ビーフシチュー自体がすでに“重い皿1枚”なので、もう一品を決める時は
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「重い皿をもう1枚にするのか」
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「軽い皿で抜け道を作るのか」
ここだけ意識すると、暴走を止めやすくなります。
コンロが足りない…!“同時刻パンク”を招く献立パターンを丸裸に
共働き・子育て世代のキッチンで、地味にストレスを生んでいるのがコンロパンク問題です。
ありがちなのはこんな献立。
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ビーフシチュー(長時間煮込みで1〜2口占有)
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ペペロンチーノ
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付け合わせのソテー
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スープ
19時台に全部仕上げようとすると、同じ時間に3〜4口必要になり、「炎が足りない」状態になります。
| メニュー | 調理に必要なもの | 問題点 |
|---|---|---|
| ビーフシチュー | コンロ1〜2口を長時間占有 | 他が作りにくい |
| パスタ | たっぷりの湯+ソース用フライパン | 同時進行が難しい |
| ソテー系副菜 | フライパン | 洗い物も増える |
| スープ | 鍋 | 火口が完全に埋まる |
現場での鉄則はシンプルで、「メインがコンロを長時間使う日は、もう一品は火を使わない」ことです。
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レンジで完結するブロッコリーサラダ
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トースター任せのガーリックトーストやブルスケッタ
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切って和えるだけのキャベツや大根のマリネ
こうした“コンロゼロ副菜”を一つ持っておくと、オペレーションが一気に軽くなります。私の視点で言いますと、ビーフシチューの日に「もう一品はレンジだけ」と決めてしまうだけで、キッチンのイライラはかなり減ります。
プロはこう考える。「色・重さ・コンロ」で決めるビーフシチュー献立の新常識
「ビーフシチューは完璧なのに、もう一品で毎回つまずく」。その迷子状態は、センス不足ではなく判断軸がないだけです。現場では、ビーフシチューの日は必ず「色・重さ・コンロ」の3点セットで献立を決めます。
見た目のおしゃれ度は「緑・赤・黄」で決まる!サラダと副菜の色づかいテク
茶色いシチューを主役にするとき、食卓の華やかさは緑・赤・黄の有無だけでほぼ決まると感じています。皿数より色数です。
| 欠けている色 | 足すと便利な食材例 | おすすめ副菜イメージ |
|---|---|---|
| 緑 | レタス、水菜、ブロッコリー、アスパラ | グリーンサラダ、ブロッコリーナムル |
| 赤 | トマト、パプリカ、サーモン | トマト入りシーザーサラダ、サーモンマリネ |
| 黄 | コーン、かぼちゃ、パプリカ黄 | コーンサラダ、かぼちゃのマリネ |
私の視点で言いますと、「緑+赤」が揃うだけで“レストラン感”の半分はクリアできます。例を挙げると、
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レタス+トマト+コーンでクリーミードレッシング
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水菜+オレンジ+わかめをオリーブオイルと塩で
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ベビーリーフ+サーモン+紫玉ねぎをレモンで
この程度でも、ビーフシチューの茶色を一気に引き立てられます。
メインがこってりの日こそ“軽いもう一品”をぶつける重さバランス術
ビーフシチューは「牛肉+バター+小麦粉+赤ワイン」で、油脂も塩分も主役級。ここにポテトグラタンや唐揚げを重ねると、味は良くても完食率と翌日の体調が落ちやすいのが現場感覚です。
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シチューがこってりの日は、「もう一品」は
→ 生野菜
→ 海藻
→ 大根・白菜・かぶ・きのこ
のどれかを必ず入れる -
主菜級は「重い料理2皿まで」が限度
例: ビーフシチュー+フライドチキン+ポテトサラダは完全にやり過ぎ
重さを打ち消す組み合わせのイメージは、
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ビーフシチュー+水菜とりんごのサラダ+わかめのマリネ
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ビーフシチュー+白菜ときのこのナムル+白ごはん
このように、「油を増やす」のではなく「水分と食物繊維を増やす」方向に振ると、食後の満足度が一段上がります。
「コンロを使わないおかずだけ」で回す日を作ると夕食が一気にラクになる理由
ビーフシチューは、仕込みと温め直しでコンロ1〜2口を長時間占有するメニューです。ここにパスタやソテーを足すと、「19時にコンロ3口フル稼働」の地獄ラインに突入します。
そこで現場では、あえて「コンロを使わないもう一品の日」を作ることを勧めています。
| 調理方法 | 具体例 | メリット |
|---|---|---|
| 電子レンジ | ブロッコリーサラダ、きのこのマリネ | コンロゼロ、耐熱皿1枚で完結 |
| トースター・オーブン | ガーリックトースト、ブルスケッタ | 放置時間で他の家事ができる |
| 和える・塩もみ | キャベツの塩もみ、わかめときゅうりサラダ | 包丁+ボウルだけで洗い物激減 |
一度「ビーフシチュー+レンジサラダ+トースト」のように火口ゼロ副菜だけで組む日を試すと、調理ストレスとシンクの山の違いに驚くはずです。
忙しい平日は「色」と「重さ」を整えつつ、コンロを増やさない。これが、無理をしないビーフシチュー献立の新しい標準ラインです。
平日19時のリアルを救う。「ビーフシチュー+10分サラダ」で即戦力ごはん
仕事終わりの19時、「ビーフシチューは鍋で待機、でももう一品が決まらない」。ここでフライパンを増やすと、片付けも気力も一気に崩れます。平日はコンロを増やさず、色だけ足して勝つのがプロの発想です。私の視点で言いますと、ビーフシチューの日は「茶色をどう薄めるか」だけ意識すれば、家族の満足度はきちんと上がります。
平日用の10分サラダは、次の3タイプを持っておくと迷いません。
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レタス系のクリーミーサラダ
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フルーツ&海藻の酸味サラダ
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大根・白菜の和風シャキシャキサラダ
冷蔵庫の定番3素材だけで組める!レタス・トマト・コーンの鉄板サラダテンプレ
使うのはレタス、トマト、コーンの3つ。どの家庭の冷蔵庫にも入りやすい組み合わせで、味つけだけ変えてバリエーションを出します。
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クリーミー系
レタス+トマト+コーン+ツナ
マヨネーズ+醤油少し+すりごま -
さっぱりオイル系
レタス+トマト
オリーブオイル+塩+黒こしょう+レモン汁 -
和風系
レタス+トマト+コーン
和風ドレッシング+刻み海苔
下の表をキッチンに貼っておくと、19時の判断が一瞬で終わります。
| 気分 | 調味料セット | プラス食材 |
|---|---|---|
| こってりOK | マヨ+醤油+ごま | ツナ |
| さっぱり | オリーブオイル+レモン | 玉ねぎスライス |
| 和風 | 和風ドレッシング | 海苔・かつお節 |
重たいビーフシチューが一気に軽くなる、フルーツ&海藻サラダの魔法
濃厚なデミグラスは、油と塩分がしっかりあります。そこにポテトサラダを足すと「茶色+油+炭水化物の重ね着」。外食の現場では、ここに必ず酸味と生野菜を挟みます。
手を動かす工程は3つだけです。
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フルーツを一口大に切る
りんご、オレンジ、キウイ、ぶどうなど好きなもの
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水菜やレタスをざく切り
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市販の海藻サラダをのせる
味つけは、オリーブオイル+塩+レモン汁、またはフレンチドレッシングで十分。甘み、塩味、酸味がそろうと、ワインにも子どもにも受けやすく、食後の「重さ」がかなり違います。
大根・白菜・かぶを切ってあえるだけ。「和風サラダ」をあえて挟む裏ワザ
白ごはん+ビーフシチューは実はよくある組み合わせです。この場合、洋風おかずを足すより、和風の箸休めを挟んだ方が、ごはんも進みつつ胃も軽く済みます。
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大根の塩もみサラダ
大根を細切り→塩をふって水気をしぼる→酢+砂糖+少量の醤油+ごま油
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白菜の即席浅漬け風
白菜をざく切り→塩でもむ→ごま+少量のポン酢
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かぶときゅうりのナムル風
かぶときゅうりを薄切り→塩→ごま油+塩+白ごま
コンロゼロ、包丁とボウルだけで完結します。ビーフシチューの茶色に、白と緑のシャキシャキが加わるだけで、見た目も食後感も別物になります。
ごはん派?パン派?「主食×もう一品」でガチうまバランスを作るコツ
白ごはん+ビーフシチューの日に“足すと後悔しがち”なおかずとその代替案
白ごはん派の日、やりがちなのが「カレーのノリ」で揚げ物を全力投入するパターン。
とんかつ、コロッケ、唐揚げ、餃子…ここにビーフシチューを重ねると、炭水化物と脂質が二重三重になり、味は良くても「食後2時間の後悔」が一気に増える。
私の視点で言いますと、現場で一番“完食率が落ちる”のは、白ごはん+シチュー+揚げ物という「主菜3連発」構成だ。
代わりに狙いたいのは「ごはんが進むけど軽い」ライン。
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海苔・佃煮・漬物
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小松菜やほうれん草のナムル
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いんげんやブロッコリーのごま和え
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大根・きゅうりの浅漬けや和風マリネ
視覚的にも分かりやすく整理するとこうなる。
| 後悔しがちなおかず | NG理由 | 現場で勧めたい代替案 |
|---|---|---|
| とんかつ・メンチカツ | 揚げ油+シチューの油で胃が限界 | 小松菜ナムル、いんげんごま和え |
| コロッケ・ポテトフライ | じゃがいも被り+脂質過多 | 大根ときゅうりの浅漬け、大根サラダ |
| 餃子・春巻き | 皮+ごはんで炭水化物ラッシュ | 海苔、佃煮、キムチ少量+野菜副菜 |
| 唐揚げ・チキン南蛮 | 主菜が2品状態でシチューが埋もれる | ささみとキャベツの和え物、豆腐と海藻のサラダ |
ポイントは「ごはんのおかわり欲はキープしつつ、脂質は足さない」。
白ごはんの日は、もう一品で“野菜と塩分調整役”を置くと、翌朝の体の重さがはっきり違ってくる。
パンの日こそ要注意!チーズの重ねすぎが台無しにする献立パターン
パン派の日は「おしゃれにしたい欲」が暴走しやすい。
ビーフシチューにバゲット、そこにチーズトースト、シーザーサラダ、カプレーゼ…気付けばチーズが3回登場している、というのはプロ目線だと完全に“塩と脂のオーバーラン”。
チーズは一食で「1〜2アイテム」までに抑えると、食後感がぐっと良くなる。
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シチューにピザ用チーズを少量→サラダはノンチーズ
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パンをチーズトーストに→シチューは素のまま
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カプレーゼを出す→パンはプレーン、サラダはオイル系ドレッシング
チーズを減らした分は、アボカド、トマト、オクラ、セロリ、エリンギのマリネやサラダで“コクと色”を足すと、ワインにも合うし、女性ゲストの完食率も高い。
ガーリックライス・マカロニ・ポテト…主食アレンジの「ここまでOK」ライン
ガーリックライスやマカロニサラダ、ポテトサラダは、単品なら最高だが、ビーフシチューと組むと一気に「主食過多」ゾーンに突入する。
ざっくりした線引きは次の通り。
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食べ盛り子ども・大人が複数いる家庭
- ガーリックライス or バターライスはOK
- ただしマカロニサラダとポテトサラダを同時に置かない
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少食カップル・遅い時間の夕食
- 主食アレンジは「パン1枚」「少なめごはん+プレーン」のどちらか
- ポテト系はシチューの中だけにとどめ、副菜は葉物や海藻に振る
目安として、「主食っぽい炭水化物」は一食で二枠まで。
ビーフシチュー+白ごはん+ガーリックトースト+マカロニサラダ、という四枠構成になると、多くの人は途中でペースダウンしてしまう。
主食を攻めた日は、副菜は思い切って“葉っぱと海藻だけ”くらいが、実は一番おいしく終われる組み合わせになる。
ホームパーティー&ワインの日は「おしゃれ前菜×口直し」で差をつける
ビーフシチューを出した瞬間の「わあ、おいしそう!」を、最後の一口まで維持できるかどうかは、前菜と口直しの組み合わせでほぼ決まります。洋食店の現場を見てきた私の視点で言いますと、重い料理を重い前菜で囲むと、3口目からお客様のフォークが止まりやすいのが現実です。
ホームパーティーの日は、「おしゃれ前菜」と「軽い口直し」をセットで組むのがプロの鉄則です。
サーモン・えび・たこで決める!ワインに映えるマリネ&サラダ前菜
ワインの日は、肉よりも魚介の酸味と彩りでスタートさせると、ビーフシチューのコクが主役として生きます。おすすめはこの3系統。
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サーモンのマリネサラダ(サーモン+玉ねぎ+ディル+レモン)
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えびとアボカドのサラダ(えび+アボカド+トマト+レタス)
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たことオリーブのマリネ(たこ+オリーブ+パプリカ+セロリ)
ポイントは、オイルより酸を強めにすること。オリーブオイルは控えめ、レモン汁や白ワインビネガーをしっかり利かせます。ビーフシチューが「茶色くて重い」メインなので、前菜は「明るい色+キレのある酸味」で対照を作るイメージです。
色と重さのバランスは、次のように意識すると迷いません。
| 前菜 | 色の役割 | 重さレベル | ワインとの相性 |
|---|---|---|---|
| サーモンマリネ | オレンジ+緑を補う | 軽め | 白・ロゼ |
| えびアボサラダ | クリーミー+赤 | 中くらい | 白 |
| たこマリネ | 赤+黄で映える | 軽め | 白・スパークリング |
ブルスケッタ・トースト・ココットで完成!トースター任せのおしゃれひと口
ホームパーティーの日にやりがちなのが、コンロ全部がシチューと付け合わせで満席になり、前菜を温める余力がなくなるパターン。ここで効いてくるのが「トースター完結」のひと口おかずです。
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トマトとバジルのブルスケッタ
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ガーリックトースト(パセリを散らして緑を足す)
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エッグココット(卵+生クリーム少量+ほうれん草)
トースター任せにすると、コンロはビーフシチューに集中でき、盛りつけの時間をゲストとの会話に回せるのが最大のメリットです。
火口管理を意識した段取りは、こう整理するとスムーズです。
| タイミング | コンロ | トースター |
|---|---|---|
| 来客30分前 | シチュー仕上げ | 予熱不要のブルスケッタを準備 |
| 来客10分前 | コンロは弱火保温 | ブルスケッタ+ガーリックトースト焼成 |
| 食事スタート直前 | シチュー火を止め | エッグココットを3〜5分だけ焼く |
ブルーチーズとマスタードは“ちょい足し”が正解。重くしない風味づけテク
ワイン会で失敗しやすいのが、チーズとマスタードを盛りすぎて、ビーフシチューより前菜が主役になるパターンです。プロ現場では、濃い味のアイテムほど「面積を小さく、存在感は大きく」が鉄則です。
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ブルーチーズは、一皿に指先大を2〜3かけ散らす程度
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粒マスタードは、ドレッシングに混ぜて「香り担当」にする
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バルサミコは線を描くように少量かける
例えば、水菜とりんごのサラダ+くるみ+ブルーチーズ少量+バルサミコなら、味はリッチでも全体の重さは軽いまま。ビーフシチューのデミグラスソースとぶつからず、ワインも進みます。
「香りの強い調味料は“のせる”ではなく“まぶす”」くらいの感覚で量を抑えると、口の中がリセットされ、シチューの一口目に毎回新鮮さが戻ります。これが、ごちそう感を最後までキープする一番地味で一番効くテクニックです。
子どもがいる家庭のリアル解決。「野菜を食べさせつつ文句が出ないもう一品」
ポテト・にんじん・ブロッコリーを“別人格”に変える調理チェンジ術
ビーフシチューの具と副菜の野菜が丸かぶりしていると、子どもは一言「また同じ?」で手が止まりやすいです。業界内では、同じ食材を出す場合は「見た目・食感・味付けのうち2つ以上を変える」のが鉄則とされています。
よくある失敗と、プロ目線の変え方を整理します。
| シチューの中身 | NG副菜例 | 別人格にするポイント |
|---|---|---|
| じゃがいも | ポテトサラダ | 皮つきポテトのカリカリ焼き(トースター+オリーブオイル+塩) |
| にんじん | グラッセ | 千切りにんじんのレモンマリネ(酸味でリセット) |
| ブロッコリー | マヨ和え | レンジ蒸し→粉チーズと塩だけの「ほろほろおつまみ」 |
ポイントは火の入れ方とカットの仕方を変えること。私の視点で言いますと、これだけで子どもから「また同じ」のクレームが「これも好き」に変わるケースがかなり多いです。
簡単に回せる組み合わせの一例です。
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シチューにごろごろポテト → 副菜は「細切りポテトのカリカリ焼き」
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シチューに輪切りにんじん → 副菜は「千切りにんじんのツナ和え」
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シチューに房ブロッコリー → 副菜は「茎を使った和風ナムル」
切り方と味を変えるだけで、同じ食材でも“別人格”として子どもの口に入りやすくなります。
ささみ・たまご・豆腐でつくる、タンパク質も野菜もとれるごきげん副菜
ビーフシチューは肉たっぷりに見えても、実際は「野菜とルウでお腹いっぱい」になりがちです。そこで、軽めのタンパク質+野菜を一皿にまとめた副菜を添えると、栄養バランスも満腹感もきれいに整います。
| ベース食材 | 時短テク | ビーフシチューとの相性 |
|---|---|---|
| ささみ | レンジ酒蒸し→裂く | 重くならず、子どもの「肉欲」を満たせる |
| たまご | ゆで卵・炒り卵 | 黄色が入って皿が一気に華やかに |
| 豆腐 | 水切りだけ | 胃に優しく、夜遅い食事でも罪悪感が少ない |
おすすめの具体例は次の通りです。
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ささみとキャベツのごまポンサラダ
レンジささみ+千切りキャベツ+きゅうりをポン酢とごまで和えるだけ。シチューのこってり感をリセットできます。
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ほうれん草とゆで卵のマヨサラダ
色のコントラストが強く、食卓が一気に「ごちそう感」に寄ります。
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冷ややっこ風 豆腐とわかめのサラダ
冷奴用の絹豆腐+わかめ+ねぎ+醤油少々。ビーフシチューの日にあえて和風を挟むと、白ごはん派の家族も満足しやすくなります。
どれもコンロをほぼ使わないので、「シチューでコンロが埋まっている平日」にこそ効くラインナップです。
翌朝トースト&お弁当に変身!残して得する「賢いもう一品」設計
共働き世帯の夕食で実は重要なのが、「今日の一皿が、明日のラクにもつながるかどうか」です。ビーフシチューの日は鍋が大きくて洗い物も増えやすいので、副菜を“使い回し前提”で設計すると、翌日の自分をかなり助けられます。
| 副菜のタイプ | 翌朝トースト活用 | 弁当への転用例 |
|---|---|---|
| ツナ入りコールスロー | 食パンにのせてチーズを少し、トースターで焼く | ハムを足してサンドイッチの具に |
| 小松菜・いんげんナムル | トーストにのせて目玉焼きをオン | そのまま副菜カップに詰めるだけ |
| ささみサラダ | マヨを足してチキンサンドに | レタスと合わせてボリュームサラダに |
「残して損する副菜」は揚げ物やフライ、「残して得する副菜」はマリネやナムル、サラダ系です。酸味やごま油を効かせておくと、翌日も味がぼやけず、朝も弁当もそのまま使えます。
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ビーフシチューの日は、揚げ物よりマリネ系を優先
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翌朝と弁当をイメージしながら、具材を決める
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彩りの良い副菜を選ぶと、翌日の弁当も一気に華やかになる
この「今日+明日セット」の発想に切り替えるだけで、ビーフシチューともう一品の悩みは「明日の自分へのプレゼント作り」に変わっていきます。
「LINEでこんな相談が来たらこう返す」あと一品お悩みレスキュー相談室
キッチンでスマホ片手に「もう一品どうしよう…」と固まっている時間を、ここで終わらせましょう。現場で献立相談を山ほど受けてきた立場から、「そのLINE、こう返せば一発で決まる」という答え方だけをまとめます。
私の視点で言いますと、「迷った時間=疲れ」なので、3秒で決められる基準を持っておくのがいちばんの家事ラクです。
ケース1:ビーフシチューとごはんだけでいい?罪悪感を消す“色だけ足す”回答
想定LINE
「今夜ビーフシチュー作るんですけど、もう一品作る気力がありません…。シチューとごはんだけってアリですか?」
返事はこの軸で決めます。
判断フロー
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2品が多数派なので「シチュー+主食」自体はアリ
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足りないのは量ではなく色と野菜
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余力が1〜2分なら「味を足さず、色だけ足す」
即答テンプレ
- 「今日はシチューとごはんでOK。その代わり、レタスとトマトをちぎって皿にのせて、市販ドレッシングを横に置くだけにしよう」
よくある失敗は「罪悪感から、慌ててベーコンソテーやポテトを足す」パターン。これをやると茶色+油+炭水化物が三重奏になり、食後ずっしりして後悔しやすくなります。
色だけ足すミニ副菜アイデア
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レタス+トマト+コーンを盛って、ドレッシングをかけるだけ
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ブロッコリーをレンジで1〜2分加熱してマヨを添えるだけ
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きゅうりを薄切りにして塩でもみ、酢を少し垂らすだけ
ここで大事なのは「コンロを増やさない」こと。煮込みがメインの日に、火口をさらに埋めないのがプロの鉄則です。
ケース1のNG/OK比較
| 項目 | NGパターン | 救済パターン |
|---|---|---|
| 追加品 | ポテトフライ、ベーコンソテー | 生野菜サラダ、レンジブロッコリー |
| 色 | 茶色だらけ | 緑・赤・黄が1色以上増える |
| 調理 | コンロ追加で疲れる | 切る/ちぎる/レンジだけ |
ケース2:ホームパーティー前夜の「おしゃれ前菜が決まらない」に即答する
想定LINE
「ビーフシチューとワインの会をするんですが、前菜が決まりません。チーズと生ハムをとりあえず買えば大丈夫ですか?」
ここでの落とし穴は、チーズまみれの重いテーブルになることです。
答えの軸は“3点セット”
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チーズは1種類に絞る
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サーモンかえびのマリネを1品
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フルーツ入りサラダで口直しを1品
即答テンプレ
- 「生ハムより、チーズ1種+サーモンマリネ+オレンジ入りサラダの3品にしよう。その方が色も軽さもバランスがいいよ」
具体例セット
-
前菜1: スモークサーモンと玉ねぎのマリネ
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前菜2: ベビーリーフ+オレンジ+ナッツのサラダ
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前菜3: カマンベールを一皿だけ、クラッカーかバゲット添え
これで「緑・オレンジ・ピンク・白」の色が入り、ビーフシチューの茶色が主役として映えます。ワインとの相性もよく、女性ゲストが「重すぎた…」と感じるリスクも下がります。
避けたい組み合わせ
-
シチュー+グラタン+チーズトースト+シーザーサラダ(全部チーズ&クリーム系)
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シチューの前に唐揚げやフライドポテト山盛り(メイン級を重ねる)
外食の現場では「重い皿は2つまで」が暗黙ルール。家パーティーも同じ発想で組むと失敗しにくくなります。
ケース3:ダイエット中の家族がいるのにシチューを作っちゃった日の調整テク
想定LINE
「ダイエット中の夫がいるのにビーフシチューを作ってしまいました…。もう一品で調整できますか?」
ここでやるべきことは、シチュー自体を薄めるのではなく、“もう一品”で逃げ道を作ることです。
調整の基本3ルール
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シチューの肉とルウは「いつもの8割」にする
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もう一品でたんぱく質+野菜を足す
-
主食量は、皿が並んでから決める
おすすめの「調整用もう一品」
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ささみとキャベツの和風サラダ(レンジで蒸したささみ+千切りキャベツ+ポン酢+ごま)
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豆腐とわかめのサラダ(絹豆腐+海藻+大葉+しょうゆ少々+オリーブオイル)
-
ゆで卵とブロッコリーのマヨ少なめサラダ
ダイエット対応のざっくり目安
| 調整ポイント | やること |
|---|---|
| シチューの量 | 肉とルウは控えめ、野菜多め |
| もう一品 | ささみ/豆腐/卵+野菜の組み合わせ |
| 主食 | まず少なめによそい、おかわり制 |
「シチューを作ってしまった」のではなく、「シチューを楽しみつつ、もう一品で帳尻を合わせる」と考えると気持ちもラクになります。重さを副菜側でコントロールできると、ビーフシチューの日がダイエット中でも怖くなくなります。
迷ったらここだけ!「ビーフシチューともう一品」即決テンプレ集
私の視点で言いますと、ここにある3パターンさえ頭に入れておけば、「今日は何を足せばいいの…?」という迷子タイムはほぼ消えます。色・重さ・コンロ口数の3軸で組んだ“即決セット”です。
がっつり食べたい日に:シチュー×主食×サラダの満足おかずセット
食べ盛り・よく働いた日・金曜夜にちょうどいい、“お腹パンパンだけど胃もたれしにくい”ラインです。
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ビーフシチュー+ガーリックライス+レンジ蒸しブロッコリーサラダ
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ビーフシチュー+白ごはん+キャベツとベーコンのコンソメスープ
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ビーフシチュー+バターライス+コーンとツナのマヨサラダ
ガッツリの日でも「重い料理は2皿まで」にすると、翌朝のだるさがかなり違います。
| メニュー例 | 重さバランス | コンロ負荷 |
|---|---|---|
| ガーリックライス | 重め | フライパン1口 |
| 白ごはん+スープ | 中 | 鍋1口 |
| バターライス | 重め | フライパン1口 |
軽く済ませたい夜に:胃もたれ知らずのさっぱり系コンビネーション
残業帰りや21時スタートの日は、“シチュー少なめ+さっぱり2品”が鉄板です。
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ビーフシチュー少なめ+フルーツ&水菜サラダ+海藻サラダ
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ビーフシチュー+パン1枚+大根と白菜の和風マリネ
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ビーフシチュー+少なめごはん+きのこマリネ(しめじ・エリンギ)
ポイントは、油をほとんど使わない副菜を2品入れること。茶色をフルーツや水菜の“明るい色”で割るだけで、同じカロリーでも体感がかなり軽くなります。
ワインを楽しむ日に:ビーフシチューが主役でいられる大人のおつまみ献立
ホームパーティーや記念日は、「おつまみを増やしすぎない勇気」が満足度を上げます。
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ビーフシチュー+サーモンのマリネ+フルーツ入りグリーンサラダ
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ビーフシチュー+アボカドとモッツァレラのカプレーゼ+オリーブとたこのマリネ
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ビーフシチュー+トマトブルスケッタ+海老とブロッコリーのガーリックマリネ
ワインの日は、チーズは1〜2種類まで、揚げ物ゼロが理想。塩分と油を「ビーフシチュー+チーズ1枠」に集約し、残りはマリネやサラダで“抜け道”を作ると、飲み終わりまでシチューの印象がしっかり残ります。
執筆者紹介
洋食・デミグラス系の肉料理とメニュー設計を主要領域とする、東京都渋谷区円山町22-16の洋食レストラン運営チームです。実店舗でビーフシチューやハンバーグを提供しながら、自社メディア「Food Hub」で外食・中食・コンビニ商品を「家事負担・栄養バランス・満足度・見た目」の4方向から分析した記事を発信してきました。本記事では、濃厚な煮込み料理を軸に日々行っているプロの献立設計や火口管理の考え方を、家庭の夕食やホームパーティーに転用しています。


